Concept

銅版画は、エッチング(腐食液の中に入れて金属の板を腐食させる)の工程をたどる。 
腐食液の中に版をずっといれておくと、やがて溶けて無くなってしまう。 
人間も動物も植物もこの世に生まれたものは老いて、やがては土に還って無くなってしまう。 
この銅版画の腐食の行為が私の一貫したテーマである「生」と「死」と共通すると私は考える。 
特に私は「生」に執着しているのかもしれない。 
私という人間を形作るために一体どれだけの「命」や「もの」を取り込み、消費し、それらが血となり、骨となり、記憶を作ってきたのだろうかといつも考える。 
私という存在や私の記憶のかけらが一つ一つ積み重なり、わたしを形作る。 
同じく、版表現は、朽ち果てることで、作品として昇華していくと思う。 
朽ち果てるもの、そして新たに生を得るもの。 
相反する両者の積み重ねが私の考える版表現である。 


前田 由佳理 

 Maeda Yukari


1981  熊本県生まれ 

2005 「大野城まどかぴあ版画ビエンナーレ」奨励賞 大野城まどかぴあ・福岡 

2006  熊本大学大学院教育学研究科修了 
         「横浜開港記念国際版画交流展」BANK ART・神奈川 

2011 「英展」田川市美術館・福岡 

2012 「FEI PRINT AWARD」入選 FEI ART MUSIUM YOKOHAMA・神奈川 

          熊本県美術協会展 協会賞 熊本県立美術館・熊本 

2014 「第13回南島原市セミナリヨ現代版画展」西日本新聞社賞 ありえコレジオホール・長崎 

         「第88回国展~新しい眼~」 国立新美術館・東京 

          個展「食すこと」 Olmo coppia・熊本 

2015 「第6回山本鼎版画大賞展」優秀賞 上田市立美術館・長野 

          三越美術逸品会特集作家 日本橋三越・東京 

         「アワガミ国際ミニプリント展」賞候補 いんべアートスペース・徳島 

          個展「わたしのカタチ」 なかお画廊・熊本 

2016 「やさい展」ギャラリーアビアント・東京 

         「FACE展2016 損保ジャパン日本興亜美術賞展」入選 損保ジャパン日本興亜美術館・東京 

2017 「アワガミ国際ミニプリント展」入選 いんべアートスペース・徳島 

         「第7回山本鼎版画大賞展」入選 上田市立美術館・長野 

2018  三人展「アートで紡ぐ物語」 新宿伊勢丹・東京 

2019  個展「LIFE」 REIJINSHA GALLERY・東京 

2020 「文学とアートの出逢い 装幀画展Ⅷ」 パレットギャラリー・東京 

          第10回香梅アートアワード奨励賞受賞 

          注目の若手作家3人展 福岡三越・福岡 

2021 「PICK UP展」REIJINSHA GALLERY・東京 

         「香梅アートアワード巡回展」 お菓子の香梅・熊本 

         「福徳の森 アートストリート」福徳の森・東京 

2022 「PAT in Kyoto 第3回京都版画トリエンナーレ2022」京都市京セラ美術館・京都 

         「Emerging Artists 次世代を担う注目の作家たち」銀座三越・東京 

         「Kyushu New Art」博多阪急・福岡 

2023 個展「日常note」 岩田屋本店 Gallery CONTAINER・福岡 

         「第66回CWAJ現代版画展」入選 ヒルサイドフォーラム・東京 

         「たまにはこんなパフェ展」カフェひとあし・神奈川 
         「LIFE展」REIJINSHA GALLERY・東京 

         三越伊勢丹オンラインストア 前田由佳理銅版画特集 

2024 「第22回南島原市セミナリヨ現代版画展 南島原市教育委員会賞 ありえコレジヨ・長崎 

         「第67回CWAJ現代版画展」入選 ヒルサイドフォーラム・東京 
          「第9回山本鼎版画大賞展」準大賞  上田市立美術館・長野


    現在  熊本学園大学非常勤講師
          アトリエリスタとして幼児の造形活動を行う

ワークショップ
2023 不知火美術館コレクション展「イメージをうつし+とる」
         とびだすプロジェクト コラグラフ版画をつくろう